
Windows では、アプリケーションのダウンロードサイトで、インストーラを選択するときに、x86 か x64 から選ばなければならない時があります。自分が使っているPCが32ビットの場合は x86 を選択し、64ビットの場合は x64 を選ぶべきなのは分かります。でも、なぜ32ビット向けのインストーラには x86 と表記され、64ビット向けのインストーラには x64 と表記されるのでしょうか。
答えは歴史的な経緯に
おおよその答え、CPU開発の経緯・歴史などは Wikipedia の記述が参考になります。
X86 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/X86
X64 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/X64
要点をかいつまむと、x86 は後方互換(新しい製品が既存の製品を扱うことができるような配慮)を持つ命令セットアーキテクチャのことを指しています。
Intel が初期に開発した16ビット CPU の製品名が 8086 で、後方互換製品が 80186、80286 と続き、32ビット製品として 80386 が発売されました。
そのためこれらは、x の記号に「中略」の意味を込めて 80×86 として総称されました。その 80×86 の表記をさらに縮めて X86 となったわけです。
そしてこの x86 の命令セットを64ビットに拡張したものを、x86-64 と呼びます。略して X64 です。
Intel64 や AMD64 がこの命令セットアーキテクチャを使った製品になります。利用しているPCの命令セットアーキテクチャが何かは、環境変数 %PROCESSOR_ARCHITECTURE% に格納されています。なので、以下のコマンドを打てば、命令セットアーキテクチャが表示できます。
echo %processor_architecture%